貫井徳郎『さよならの代わりに』幻冬舎文庫

ネタバレ一応注意。
人気劇団の楽屋で起きた女優殺人事件に、駆け出し劇団員の主人公と、未来から来たと言い張る謎の少女が挑む、タイムトラベル・ミステリ。
…うん、何がやりたかったものだか正直分からん。若手劇団員の生態とか人間模様を、ラブコメノリの軽いタッチでやろうとしてるんだけど、この作家の生真面目で無骨な筆質からして無理があって、かなりスベってる印象。後半のプロットの根幹にあるタイムトラベルの設定も、少なくとも俺はストンと理解できてなくて、作者がクライマックスで演出しようとしてる感動を味わうことができなかった。
前読んだクライム・コメディ作もそうだったけど、こういうノリのものは戦場じゃないと思うな…。
評価はC。

さよならの代わりに (幻冬舎文庫)

さよならの代わりに (幻冬舎文庫)