早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』講談社文庫

ネタバレ注意。
アウトドア仲間の孤島でのオフ会で起きる連続殺人に、「タイトル当て」の趣向を盛り込んだメフィスト賞受賞作。
初めて読んだ作家でしたが、この読者を挑発するような「本格」の玩弄ぶりは、いかにも京大ミス研犯人当ての直系…と言うと反論もあるかもだけど、少なくともその一面で、本格の稚気を象徴するものであろうと思います。
中心的なネタは嫌いな類のインパクトではなかったですが、このネタって、恋愛沙汰とか緊張関係とか、もっと端整に、シリアスに描写した上でのそれだったらもっと面白いものになったような気はして…全体にどうしてもチープなので、悪ノリの域にとどまってしまうような印象は否めないところ。
まあそれはないものねだりではあるんだけど、「タイトル当て」に関しても、中心ネタに引っ掛けてひとボケかましましたって以上のものではなかったな…まあ非常にうまくオチてるとは思うけれどw
評価はＣ＋。

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)