『ムーンライズ・キングダム』

DVD。
ウェス・アンダーソンによるコメディ。台風の近づく島を舞台に、ボーイスカウトを脱走した孤児の少年と、問題児扱いされている少女、二人の駆け落ちに伴う騒動を描く。
作家性は発揮されて、かわいげとオシャレさの兼備された愉快な作品だけど、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『グランド・ブダペスト・ホテル』を経過した後だと、小品志向の作品だってのは理解しつつも、ちょっと物足りなさを感じたのも事実。
毎度感嘆のキッチュな美術の魅力は島の風景描写の前に後退し、サムとスージーにフォーカスした故に他の大人たちはあくまでワキに止まってしまい。ブルース・ウィリスジーン・ハックマン級の存在感を求めるのは無理な話だし、フランシス・マクドーマンドの使い方ももったいないな…。
唯一エドワード・ノートンは情けないボーイスカウト隊長に非常にハマってた。司令官救出シーンの、わざとだろうけどチープすぎる特撮まで含め。