『グランド・ブダペスト・ホテル』

DVD。
ウェス・アンダーソン祭開催中。東欧の架空の小国の由緒あるホテルを舞台にしたコメディ・ドラマ。
勝手にグランド・ホテル形式だと思ってて、大好物だから期待していたけど、舞台は様々に変転して、行く先々で脱獄や逃亡や追跡の活劇が繰り広げられるお話でした。
なので若干期待からは外れたけど、魅惑的なセットや美術、生き生きとしたキャラクタと常に微笑みの浮かぶユーモア、ウェス・アンダーソン作品の魅力は充分に愉しめました。グスタヴとゼロの関係性とか、すごく素敵な距離感で描かれているよね。
さらには楽しい一辺倒の作品じゃなくて、大戦期という舞台設定と、何重にもなる入れ子構造は、ラストの余韻において、微笑ましさの中に哀しみと、受け継がれていく想いのドラマを生んでいて、胸を打たれました。
んでその後にあのかわいげたっぷりのエンドロールだからな…ニクいよね、マジで。