『セッション』

DVD。
アメリカ最高峰の音楽院を舞台に、ジャズ・ドラマー志望の主人公がパワハラを受けまくるお話。
本当にそれだけのお話だけど、シンプルながらそれゆえに迫力と推進力のあるストーリィだった。個人的になんにも楽器できないけど、ステージ上で曲が分からない、というのはよく見る悪夢なので、なんだか身につまされた。
特に過不足なく、充分な佳作だとは思うけど、ラスト、アンドリューのブレイクスルーはよく分からなかった。そこに至る必然性を、ストーリィあるいは作中の音楽とその演出に感じられなかった。ジャズのドラム・プレイとその究極って、ここで描かれるドラマーとバンマスの二者の関係の中で昇華され得るものなのかってのが、そこからだけでは説得されなかった。
なんにせよ、精神を病んで、まして死に至るようなプレッシャを感じてまで成し遂げるべきなにものかが存在するなんて、俺には受け入れ難いね。なので主題そっちのけで、ニコルかわいいのにもったいねえなあ、なんてクソみたいなことを思っていました。