探偵小説研究会(編)『2015本格ミステリ・ベスト10』原書房

ネタバレ特になし。
とりあえず、1位2位は抑えましたよ、というのは例年に比べてマシなほう。それ以外を親本でさらうテンションにならないのはいつも通りです。
この本でも主な見どころは、オールタイム名探偵ランキングの方だったな、ということでワタクシの個人的ベスト。括弧内に作家、シリーズ名、探偵として最も魅力的な作品を。
1位 メルカトル鮎麻耶雄嵩メルカトル鮎シリーズ、『鴉』*1
2位 榎木津礼二郎京極夏彦京極堂シリーズ、『鉄鼠の檻』)
3位 犀川創平(森博嗣、S&Mシリーズ、『すべてがFになる』
4位 御手洗潔島田荘司御手洗潔シリーズ、『アトポス』*2
5位 ニール・ケアリー(ドン・ウィンズロウ、ニール・ケアリーシリーズ、『ストリート・キッズ』)
次点 葉村晶(若竹七海、葉村晶シリーズ、『依頼人は死んだ』)
しかしこういう企画に限らず年次ベストではいつも思うけど、本人がそれにまったく価値を見出していないだろうことはともかく、森博嗣作品がまったく黙殺に近い扱いであることは意味不明の領域なんですけど…。
評価はC+。

2015本格ミステリベスト10

2015本格ミステリベスト10

*1:『夏冬』とならないのはやむを得ないところ。『メルカトルと美袋のための殺人』でも可。

*2:出オチってだけだけどな。つか『鴉』も出オチや。