『スカーフェイス』

DVD。
ブライアン・デ・パルマ×アル・パチーノのギャング映画。マイアミを舞台にキューバ移民から成り上がるギャング、トニー・モンタナの栄光と破滅を描くピカレスク・ロマン。
アル・パチーノの最高傑作なんて評判を聞いてたもんで、勝手に重厚なノワールを期待してたんだけど、悪い意味だけではない「B級感」の漂う映画だった。画面にも音楽にも、チープさや大袈裟さがそこかしこで感じられて、でもそうした「隙」が、トニー・モンタナというキャラクタの粗暴さ、直情性にハマって世界観を統一している。最低なキャラクタであまりかっこいいとも思えなかったけど、安っぽい成り上がりの物語として楽しめました。
『ゴッドファーザー』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』なんかのA級的作品を期待して観ると肩すかし感が否めませんが、ある意味ギャング映画の正統的文法ってのはこっちなのかも。デ・パルマって他の作品記憶にないけど、なんかこんな感じの作家なんかね。
少なくとも170分間退屈しない、B級エンタテインメントの佳作です。ヴァイオレンス描写は序盤のチェーンソウが結局一番だったけど…。

スカーフェイス 【DVD】