『時計じかけのオレンジ』

DVD。
近未来のディストピアに舞台設定したサスペンス映画。
キューブリックヤバいな、ってのは冒頭スタッフロールの原色のインパクトの時点でなんかしら分かる。前半ヴァイオレンス・パートの狂騒と退廃の前衛にも、後半スリラ・パートの管理/全体主義に批評的なうすら寒さにも、細部にまで偏執的に行き届いた作家の美意識と世界観が感じられる。『フルメタル・ジャケット』や『2001年宇宙の旅*1と、この作風の振れ幅がありながらこの完成度、どういうことやねん。
アレックス役マルコム・マクダウェルは言うに及ばず、フランク役の人なんかもかなりの怪演だったと思うけど、なんかこの作品以外にキャリア・ピークありそうな人一人もいないね…。アレックス役は確かに後のキャリアに影響しそうな「強さ」だもんな。ちょっとリバー・フェニックスみたいでよかったけどなー。

時計じかけのオレンジ [DVD]

時計じかけのオレンジ [DVD]

*1:実はかつての寝オチの記憶しかないです、ごめんなさい。