『オンリー・ゴッド』

DVD。
バンコクを舞台にしたクライム・サスペンス。監督ニコラス・ウィンディング・レフンと主演(?)ライアン・ゴズリング『ドライヴ』のコンビ。
なのでバンコク舞台にライアン君がスピード感とヴァイオレンスたっぷりに暴れまわってくれるかと思いきや、暴れまわるのは得体の知れない現地の警官・チャン氏(ヴィタヤ・パンスリンガム)。冴えないモンゴロイドのおっさんが、承太郎「俺が裁く!」とばかりに長ドス振り回して、白人と現地人のゴロツキどもを切り倒しまくってカラオケを歌う、アナーキーオリエンタリズム・ムーヴィーです。
なのでライアン君は引き立て役。どぎつい色彩の中に描かれる彼の幻視とか、母親*1との葛藤とか、彼周りの演出ははっきり言って眠たい場面のが多かった。一方チャン氏のキャラクタの深み…とまでは言わないけどその語りたくなるカルトヒーローぶりは出色。嫁いないのは犯罪の犠牲になってそのせいで私刑に情熱燃やしまくりなのでは、なんてベタな推察以上に、クリスタルに雇われたゴロツキ殺すシーンの子供への扱い見てると、そもそも自分の子供じゃなくて殺した相手の子供とか育ててるのでは、なんていろいろと空想が膨らみます。

オンリー・ゴッド スペシャル・エディション [DVD]

オンリー・ゴッド スペシャル・エディション [DVD]

*1:このキャラクタも結構アナーキー