ミステリー文学資料館(編)『甦る推理雑誌 8 「エロティック・ミステリー」傑作選』光文社文庫

ネタバレ一応注意。
だいぶ時代を下ってきたので、その分読みやすくはなってきてるけど、同時に雰囲気のある作品も減ってきたな、って感じの選集。楠田匡介「湯紋」、会津史郎「私は離さない」、千葉淳平「静かなる復讐」と、ラストの処理が小粋な作品が多く、選集の基調にはなってる。
ベストは福田鮭二「喪妻記」と土井稔「青田師の事件」が双璧か。トップとラストに置かれた二編だけど、それぞれ戦時下と農村という状況の独自性が効いてて読み応えがあった。
評価はC。

「エロティック・ミステリー」傑作選―甦る推理雑誌〈8〉 (光文社文庫)

「エロティック・ミステリー」傑作選―甦る推理雑誌〈8〉 (光文社文庫)