佐々木丸美『夢館』創元推理文庫

ネタバレ一応注意。
三部作完結編。
前二作ではその「死」「不在」によって存在感を発揮していた千波チャン、今作は輪廻転生(!!)により完全に主役化。孤児として引き取られた家で、その主である「先生」をめぐる様々な鞘当ての主役となります。
相変わらず突っ走ったポエジィ満載のロマンス・ミステリ(なのか?)ですが、完全に慣れたためか抵抗感なく読むことができ、甘々なラスト…それまでの主人公の行動とそれに付随する描写のブッ飛び方に比すれば拍子抜けするぐらいの…も、なんだか可愛らしく感じてほっこりした。《私たちの愛の銅鑼ですね。》(208p)とかには笑ってしまったけど。
…しかしこんな幼稚な感想メモとは対照的に、千街晶之氏の解説は見事です。すべてが言い尽くされていると思います。
評価はC+。

夢館 (創元推理文庫)

夢館 (創元推理文庫)