ネタバレ注意。
多岐川恭コレクションの2。表題作と「お茶とプール」の二長編。
表題作は恨み買いまくりの富豪が様々な人に様々な計画で命を狙われるが、すべてある人物の機知機転で難を逃れる話。程度の濃淡はあれ、殺人計画に現実性とその手段を採る必然性が感じられず、シチュエーション・コメディ的にしか読めなかったけど、ラストでタイトルがダブル・ミーニングになる転回は小粋だったかな。
一方「お茶とプール」の方は、タイトルからしても一見地味なフーダニットっぽい。でもやがて雪崩れ込んでいく主人公の男と上司の女社長の生臭い情痴と、その中での主人公のエゴイストぶりだけが際立って印象に残る怪作。
…なんか、いろいろ書くねこの人。
評価はC+。
- 作者: 多岐川恭
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/12
- メディア: 文庫
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