藤原伊織『蚊トンボ白鬚の冒険』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
主人公の青年の脳に「蚊トンボ」が棲み付き、以来その「白鬚」の統制の下、超人的な筋力を発揮できるようになって…というお話。アクション小説か、カテゴライズするなら。
んー、主人公とヒロインの造形がエキセントリックすぎて、まったく感情移入できないのがツラかったな。敵役はそれ以前の問題としても。二人の直情的で、率直の度が過ぎる立ち居振る舞いに引っ張られて、作品自体も深みや味わいを欠いて…と言うか彼らに倣って率直に言えば幼稚に感じられる。
個人的に藤原伊織に期待されるものが「コレジャナイ」のは間違いない。ラストでの主人公の扱いだけはそれっぽいが、それもこの世界観では、ちょっとなあ、という感じ。
評価はC。

蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)

蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)

蚊トンボ白鬚の冒険(下) (講談社文庫)

蚊トンボ白鬚の冒険(下) (講談社文庫)