ネタバレ一応注意。
ハードボイルド長編。
全編にオーソドックスな造りだけど、過不足のない小説です。文体も落ち着いて、キャラクタが醸し出す苦みやセンチメントも厭味にならない程度、ストーリィのテンポも適度に走っていて。
中四国を舞台にこじんまりと展開しているかと思えば、クライマックスで時空間的なスケールが広がる、そのダイナミズムも効果的だと思いました。
佳作と呼ぶにぴったりの作品と思います。
評価はB。
- 作者: 香納諒一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/10
- メディア: 文庫
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