平安寿子『グッドラックららばい』講談社文庫

ネタバレ注意。
最初に言っときます。俺、この小説すごく嫌いです。
「家族小説」というやつなのですが、根本的にこの人、ディテールを重ねればリアリティが出ると思ってるらしくて、とにかく描写が執拗で、全体的にもっさり肥大化してる。三分の二は要らないディテールに費やされてるね。胸やけしますわ。
その割に物語が動く心情描写はたびたび唐突で。流転の鷹子の心情とか、佳江の信也への感情とか(後者はまあ瑣末事だけど)。こんだけ「自由な家族」みたいなものを称揚しておきながら、最終的には皆「家族」に回帰してしまう予定調和もいかがなものかと思う。
もっとヴィヴィッドな小説読ませてくれるものかと思ってたけど、実際は感性の古臭い、言ってしまえばオバサン臭い小説でしたね。
面白いと思ったのはアレだ、積子と立子の名前の由来ぐらい。「積立」てw
評価はC−。

グッドラックららばい (講談社文庫)

グッドラックららばい (講談社文庫)