島田荘司(編)『島田荘司読本』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
メインの読み物としては、父・御手洗直俊の戦時下の苦闘を描く短編「天使の名前」と、千街氏ら三人の書評家による全著作ガイド。他にいくつかの評論・雑文。
小説はまあ、こういう本にでもないと収めらんないな、という類の異色作。ミステリではカケラもないけど、原爆投下直後の広島を描いて読み応えはある。橋上の半分だけ焼けた女性の死体とか、すげーイメージだわ。でも本当にすげーのはこれがイメージなんかじゃなくて単なる史実だって話で、そのあたりは広島出身の作家の筆は容赦ない。
ガイドの方はアゲアゲ一辺倒で、正直参考にならないと思う。そりゃ代表作はいくらでも称揚していいけど、いくつか完全にクソなものもあるよねw
評価はC。

島田荘司読本 (講談社文庫)

島田荘司読本 (講談社文庫)