薄井ゆうじ『樹の上の草魚』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
現代ファンタジィ。
ネタはアンドロギュヌスの少年の性転換。今なんか一部で流行りみたいなので、ちょっと早すぎた感じでしょうかw
全体的な印象としては「劣化版村上春樹」的。小説としての切れ味や湛えるイメージにやや物足りないところはあるけど、部分的に面白いところはありました。さんざんペニスの話してきた影山医師がソーセージとミートボールの弁当食ってるとことか、《「挿入口に、くわえさせたんです」何を言ってるんだ、僕は。》(277p)のとことか、小峰医師と嫁のキャラとか。
ただ、ヒロシにしろ亘にしろ、メインキャラの思考と行動がいまいち支離滅裂でのめりこめず。何がしたいんだかよく分からなかった。あと結構メインのイメージとして出てくる電話の交換機のエピソード、ちょっとしつこいね。
評価はC。

樹の上の草魚 (講談社文庫)

樹の上の草魚 (講談社文庫)