ネタバレ注意。
これも『百舌の叫ぶ夜』から続くシリーズでした。もう百舌はまったく出てきませんが。
この作品は、この人の手癖であるトリッキィなプロットとか、前作におけるロボトミー手術wとかのショッキング要素も見られず、オーソドックスなクライム・ノヴェル/ハードボイルドに徹していらっしゃる。あまりお上手ではない性愛描写も少なかった。
文章もストーリィの運びもそのためか安定していて、読まされるけど、逆に言えばフックに乏しく、スケールも小さい。だからシリーズ主人公クラスのキャラクタが、(前回あんなにギリギリの死の淵から生還したのに)あっさり死んでも別になんとも思わなかったし、ラストもなんだか空漠として感じられたのでした。
評価はC。
- 作者: 逢坂剛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1995/03/17
- メディア: 文庫
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