安童夕馬/朝基まさし『サイコメトラーEIJI 8-12』(完結)講談社漫画文庫

最後までいっちゃおう。
このあたりだといよいよストーリーは厚い。ラストの処理こそいかがなものかと思ったが、嵐の山荘モノに無条件の好感を持ったのをはじめとして、「カンナビス」も「サイレント・ボマー」も、スケールや哀感があって充実していた。でもそれだけに、共にラストはぐだぐだで残念だったね。≪アイラブユーフォーエバー≫とか相撲オチなんか、ギャグ短編には不覚にも笑ってしまったので、そうした切れ味を長編にも望みたいところだったが…。
…結局ラスト、「罪と罰」編に至っては、次回作への引っ張り、煽りが変に幅をきかせているのに端的なように、作者の表現したいことは変質してしまっている。これまでの複線・キャラクタも総登場で見かけは豪勢だけど、正直に言って寒々しい、不幸な作品だ。
しかし少年漫画で政治ネタとは…痛々しいし、いっそ傲慢だと思います。

サイコメトラーEIJI(8) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(8) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(9) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(9) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(10) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(10) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(11) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(11) (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(12)<完> (講談社漫画文庫)

サイコメトラーEIJI(12)<完> (講談社漫画文庫)