三雲岳斗『ワイヤレスハートチャイルド』徳間デュアル文庫

ネタバレ一応注意。
徳間デュアル文庫処分強化月間。版型合わないんでムカつくんですよね。で、三雲岳斗も三冊あるんだけど、既読の『海底密室』と『M.G.H.』は売れません。面白いから。というわけでこれ。
「あいす☆くりーむ」さんとやらの手になる表紙絵*1とは異なり、どこかもの哀しい雰囲気の漂うラノベ・ミステリでした。俺にとって「ラノベ」という単語はほぼ蔑称であって、この小説においても、たとえば秋水の痛々しい台詞に象徴されるような、キャラクタ・エピソードの短絡や浅薄はどうしても鼻についた*2。ただこの作家が「書ける」人だというのは知ってるので、レーベルに合わせてこの水準で書いてるということなのかも、と思ったりそうでもなかったり。
そしてそもそもなつみさんの存在の必然性が甚だ疑問だったのだけど、この小説で最も感心したのは、一番最初のメロンソーダにまつわる「日常の謎」トリックだったわけで、ならもう仕方ないかな、と思ったりそうでもなかったり。
評価はC+。

ワイヤレスハートチャイルド (徳間デュアル文庫)

ワイヤレスハートチャイルド (徳間デュアル文庫)

*1:しっかしあの手のデザインはねえよな。

*2:ミステリとしての構成はこの際おいておいて。