"JAILHOUSE SECRET SERVICE PRESENTS イースタンユース/サンボマスター"

2007.10.30@ボトムライン
ボトムラインでイベント。イースタンだから当然行くとして、共演はサンボ! 音源は聴いてても観たことのない、でもやたらとライブに期待の持てそうなバンド。以前から上司に言って出張日程考慮してもらって万全の体制。
で、初めてのボトムライン、渋谷クアトロに似た構造で、青を使った内装も珍しくて非常にいい感じのハコでした。平日のイベントっつーことで想像よりも客入り少なかったけど、その分まったりと観れました。
1. eastern youth
最近「夏の日の午後」と「踵鳴る」やらんね。代りに「荒野に針路を取れ」と「街はふるさと」あたりがアンセムとして、「矯正視力」が中盤の落としとして必須になってる気がします。まあどれも大好きな曲です。今回は珍しく「静寂が燃える」が聴けた。イースタンで初めて買った音源がこのシングルだったので、なかなか思い入れは深いです。
しかしこの日のライヴの最大のインパクトは、二曲やった新曲の素晴らしさ。11月のアルバムから、先行シングル「沸点36℃」と、「白昼の行方不明者」。前者のサビの絶唱は、イースタンのロックの高揚感の、まさに真髄を極めたものだし、後者の哀感の詞とメロディにも大きく揺さぶられました。

だから今日もここに立って
嘘と真実の風の中で
悪あがきを続ける
だから今日もここに立って
肩に降り積もる月明りで
孤独を研いでいる
(「沸点36℃」)

ライヴが鉄板なのは分かりきった話だけど、ソングライティングも全然錆付いちゃいねえぞ、と。いまだ研ぎ続けられる彼らの牙の、その精度に惚れ直させられるアクトでした。
セットリスト:1.荒野に針路を取れ 2.沸点36℃ 3.未ダ未ダヨ 4.静寂が燃える 5.白昼の行方不明者 6.矯正視力〇.六 7.青すぎる空 8.ズッコケ問答 9.雨曝しなら濡れるがいいさ 10.街はふるさと
2. サンボマスター
山口、出てきて開口一番、「あいつらライヴもやんねーでとかなんとか言われようが、俺はイースタンユースについて五分間しゃべります」。つってイースタン礼賛。「この会場には長年のイースタンファンの方もいらっしゃると思いますけど、俺だっていい加減好きですからね」「コピーしてたからね、「口笛」だよ、(一瞬ギターを爪弾くそぶり)いや、失礼に当たるからやんないけどさ」「「青すぎる空」から「ズッコケ問答」、んでその後「雨曝し」だよ、あれはね、死んだ」…ホントに五分ぐらい喋ってたなあれ。
んで「イースタンの後はありえねーだろ」つって始まったアクト。「美しき人間の日々」、「歌声よおこれ」、「手紙」、「そのぬくもりに用がある」、とアンセム全開。サンボマスターというバンドはそもそも、パンクの奥底に、フォークやブルース・ファンクの豊かな音楽性を宿した曲の戦闘能力だけでも一級品で、演奏者としても、歌い手としても魅力的な、才能溢れるバンドです。しかしライヴにおいてはそれを、暑苦しく、混沌とした山口のMC・パフォーマンスや、そのブルージーな声質をまったくそうしたものとして聴こえさせないがなり一辺倒の歌唱に象徴されるような、パンクのカオスのなかに叩き込んでしまう方法論を採用しているのです。アンセム全開の流れのなかにあっても、そのロックバンドとしての「誠実」な態度には、媚を感じることはありませんでした。
もっとヌルく、楽しく盛り上がってるかと思ってたけど、なかなか凄絶な笑顔でやってた。離れる客もいるんじゃないかと思うけど、正しい態度だと思う。

アジカンの後藤も、「リスナーにとって、俺にとってのイースタンユースのような存在になりたい」とか何かに書いてたけど、やっぱいいバンド続いて来てるなって思ったよ。本人たちはますますストイックなのが、さらに素敵だ。