市川憂人『揺籠のアディポクル』講談社文庫

ネタバレ注意。

無菌病棟「クレイドル」に隔離された少年と少女が遭遇する事件を描く、クローズドサークル・ミステリ。

「無菌病棟」とかツンデレ美少女に加えて、前向性健忘だの世界の終わりだのまで出されては、おじさん赤面して全力逃走したくなります。恥ずかしい。

完全に中二感性のラブロマンスで、そっちについていけないのも痛いんだけど、ミステリとしても視点人物の思考のテンションにまったく同調できなくて、非常に残念な読み心地だった。スマートさ、クレバーさを感じられなくて、こんな作家だったかなーと。

正直デビュー作がピーク、これ以降手に取らないだろうという評価に落ち着かざるを得ない…。

評価はC-。