西澤保彦『夢魔の牢獄』講談社文庫

ネタバレ注意。

ノンシリーズの特殊状況ミステリ。22年前に起きた殺人事件をめぐって、主人公が関係者の当時の視点に次々とタイムリープして真相に迫る。

特殊状況設定とそれによる情報の出し入れ、色欲に歪んだ人間模様、作家の筆が走りに走って、書いてる本人が一番楽しそう笑 こんだけ絡み合ったお話を、煩雑の一歩手前で鼻先振り回してくれるのは、作家のクレバーさ、冷徹さを示すものでもありますが。

マッド・ミステリライタ、西澤の手腕を堪能できる一冊。

評価はC+。