ネタバレ特になし。
「新秩序」から、ナチス・ドイツ滅亡のまでを描く最終巻。
特にシュタウフェンベルクと「ローレライ」作戦について西部戦線の侵攻と重ねて描かれるところは、読んでいて胸の詰まる思いがする。なんでここで最後の悪運が発揮されるのか、せめてドイツ人の手でどうにかしておけなかったのかと思うと、その後の滅亡過程も虚しいだけだ。
読了以前の興味は主にホロコーストの暴虐についてであって、それはこの大部の中で一章があてられているだけだったが、それでも十分にショッキングなものだった。また全巻通しては、権力奪取過程(にいかに暴力的果断と、それによる運の引き寄せが必要か)と国際政治の不条理な動き、暴力革命の立ち行かなさに印象の深い本でした。
記録のみ。