ネタバレ特になし。
戦後明るみに出た資料と証言を元に描かれる、ナチスとヒトラー、その築き上げた第三帝国の実像。一巻は政権掌握まで。
村上春樹がナチス関連で一番よかったって言ってたので、誕生日に買ってもらいました! ありがとうございます。
で、歴史ノンフィクションとして抜群に面白いっす。ヒトラーの天才…演説の才、奇跡的な機に敏さ…もさることながら、ワイマール共和国のハリボテぶりが新鮮に印象的でした。当時世界で最も民主的な憲法をいただいた国の国民がナチスを支持した、というのは逆説ないし不条理としてよく聞いたタームだったけど、この状況下では成立し得ただろうな、という感じ。つか共和国体制の自滅だわ。
でも、社会が時に盲目的に不条理の方向に突っ走るのはなんなんだろうね…。「政治主導の司法」とか、国家と民族の神話礼賛とか、現代日本でその矮小化された戯画を見せつけられているこの事態は、いわば、まさに、繰り返す歴史そのものなので、あります。
スケールの小さいファシストがそこら中に湧いてるよな、大阪方面のチンピラ共とか、そういえば地元名古屋の首長とかな。頭湧いてるよ連中。
記録のみ。
- 作者:ウィリアム・L. シャイラー
- 発売日: 2008/05/24
- メディア: 単行本