ネタバレ特になし。
1933~45年、二つの帝国に挟まれた中欧「流血地帯」における、二人の独裁者によって行われた大量殺戮政策についての研究書。副題「ヒトラーとスターリン大虐殺の真実」。
膨大な一次・二次史料の分析により、この人類史上最悪の人道犯罪が緻密に描き出される。圧倒的な「数」の大きさと、その個別の「生」の重さ、いたましさに言葉を失う。
ジェノサイドについてはいつも、なぜこんなことができてしまうのかって同じことを思うけれど、それがまた同じ「流血地帯」で、同時代的に起きていることを鑑みれば、なお重要性の増す一大事業の大著。
記録のみ。