ネタバレ特になし。
ナチス体制下ドイツ、一般市民により編成された「第101警察予備大隊」…「普通の人びと」が、ポーランドにおける3万8000人のユダヤ人虐殺、4万5000人以上の強制移送という残虐行為に、いかにして手を染め、順応していったかを解き明かす研究書。
逐語訳っぽい、読みにくい訳文の向こう側から、酸鼻を極める虐殺の実際と、その「悪の凡庸さ」の、社会心理学・歴史学のアプローチにより読み解かれるメカニズムが立ち上がってくる。詳細にして正当な、大いに評価されるべき仕事だと思います。作中言及される「論争」の相手方は、同じ土俵にさえ上がれていないと思うよ。
記録のみ。
増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1))
- 作者:クリストファー・R・ブラウニング
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2019/05/10
- メディア: 文庫