草場道輝「ファンタジスタ 1-3」小学館文庫

九州の離島で技を磨いた快男児・坂本轍平の、「ファンタジスタ」・ストーリィ。

その端緒、水本高校での選手権予選とユース代表のセレクション。

当時のシステム・戦術のリアリティ、選手個々の特長とキャラ付け、練習メニューなどのディテール、他のサッカー少年マンガと比べても真面目な…いかにもサンデーぽい…作風で、好感度は高い。ベタに高校サッカーから始めつつ、最初からちゃんと「世界」が意識されているのも周到である。

惜しむらくは、せっかく魅力的な主人公・てっぺいのモデルが、簡単にネタバレされている上にまったく納得がいかないこと…いや、彼のプレー、直線的な点取り屋で、ファンタジスタの要素カケラもなかったっすよね。あと正直に言って、DAZN解説はチャンネル替えるレベルっすよ、播戸さん。

そうした意味でも、てっぺいの苗字は坂本じゃなく坂元にして、予言の書にしてほしかったなあ…(未練)。