ネタバレ注意。
多く病気に起因する、ハンディキャップ/ディスアビリティを題材にした短編集。
いや、さすが加納朋子という出来です。見事にハートフル。病や障害による「生き難さ」、それを克服する思いやりや絆の強さ、そうしたものが誠実に、あたたかく描かれて、またミステリ的な意外性も兼備されながら、感動が胸をうつものになっています。
下手な人がやったら目も当てられなくなりそうなものだし、書く側に覚悟が求められる題材だけど、それをこうまでピュアに厭味なく、だけどお花畑的な安直さを排して、真っ向勝負で描き切った手腕は見事なものだと思いました。
劈頭の表題作がいきなりよくて、あこれいい本だなって確信したけど、中では「平穏で平凡で、幸運な人生」がよかったなー。新聞読んでからのモノローグが最高だったよ。…まあ夫がアレってのは、すぐに分かってしまったけれどw
評価はB。