ネタバレ注意。
《ひょんな事からついに始まってしまった地球最終戦争》を描く、スラップスティック・SF長編。
残酷さとシニシズムに満ちた、いかにも筒井らしいファルスだけど、いかんせんベタで、古臭さが否めない。半世紀近く前の作品でやむを得ないことではあるけど、SF的想像力における新鮮さ、目新しさが皆無。
肉塊となった人間を満載した「ふじ」が東京湾に沈んでいくシーンと、菊枝の本棚の描写ぐらいだったな、面白かったの。後者はいいシーンじゃん!と思ってたらすぐに引っくり返されて翻弄されて、このへんはさすがだと思った。
きたる日のために勉強に励んでたってんじゃなくて、単なるニンフォマニアだったって話なのか? 個人的にだいぶ話変わってくるんだけど…。
評価はC。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1974/08
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (10件) を見る