中島らも『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』集英社文庫

ネタバレ特になし。
エッセィ集。
灘高時代の青春エッセィにしても、その後の美大・モラトリアム期のものにしても、二ページほどの短いものの中に、笑いとオチと、文学的余韻まで仕込む手腕はさすが。本人は書き散らしているだけのつもりだっただろうけど、紛れもなく名エッセィストの仕事…灘高に片手で数え足りる順位で入学とか、実際とんでもない地頭だと思うけど、そんな賛辞も意味を失くす、表現者としての感性があります。
「浪々の身3」とか、他で何度も読んだエピソードだけど、読むたび泣けてきますね。
評価はB。

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)