大塚英志『少女たちの「かわいい」天皇』角川文庫

ネタバレ特になし。
天皇制をめぐる評論集。
自分自身素養と、正直大した興味もないジャンルで、議論の是非はいまひとつ分からないけれど、ここで言われている「なんとなく」のナショナリズムと、そこに漂ううすら寒さって、現代のネトウヨだとか、権力層の右傾化なんて問題を射程に収めて普遍的なものだと思う。102pや242pのあたりなんて特にそう。
そしてそうした中で、著者が主題にした「天皇の疎外」ってのはますます顕在化しているんだろうな。生前退位をめぐっての状況なんて、まさにその最たるものだろう。
評価はC。