ネタバレ特になし。
評論集。
名高い「類別トリック集成」は、今読んで資料的な価値があるとは言えないけど、その偏執を裏付ける情熱は、やはり微笑ましいながらも胸を熱くさせるものがある。また正直に言うと…「鬼」に連なる者としてあるまじき態度だけど…、ノックス「密室の行者」やフットレル「13号独房の問題」など、「名高いトリック本格だけど、原著を今から読む気にはならない作品」のネタをサラリと割ってもらえるのは、今となってはオイシくもあるな。
他には海外作家紹介や小論が収められているが、特には『幻の女』の原書を手に入れたエピソードが、御大の「鬼」っぷりがコミカルに狂気的で楽しかった。
評価はC+。
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/03/12
- メディア: 文庫
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