ネタバレ特になし。
時系列回顧録の下巻。
戦中〜戦後が主で、非常に貴重な歴史的・精神史的史料であることは間違いない。
それはそうなんだけど、メインの読みどころはやはり御大のかわいらしさだな…。それまで、パージの対象になるほど翼賛体制化における隣組の活動に参加しておきながら、戦後には探偵小説の本場たるアメリカによる占領体制を諸手を挙げて歓迎し、訪日米人に思いっきりすり寄りに行ってるのは、微笑ましいと同時に、鬼たる者はそうじゃないとね、って信頼感もおぼえるよ。そうした先の外人さんたちにも、大下宇陀児や水谷準といった仲間内のより冷静な人たちにも、華麗にスカされてるのも面白いw
あとウチの会社の名前も出てきたりして、ムダに歴史だけはあるんだなーと思いました。
評価はC+。
江戸川乱歩全集 第29巻 探偵小説四十年(下) (光文社文庫)
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/09
- メディア: 文庫
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