ネタバレ一応注意。
奇縁から五億円を遺贈された一家に起こる大騒動を、中学生の息子の視点から描く。
宮部の描く少年像って、そのあまりにもな聡明純真ぶりに引いてしまうことが多いんだけど、この作品の主人公と、親友・島崎のコンビにはそれを感じなかった。ユーモアミステリのユルめな世界観の中で、二人ともいい感じにシニカルな男子中学生してるよ。プロットはちょっとせわしなくて、落ち着きの悪い感じだけど、中学生小説としてかなり高いレベルにあると思う。
しかしオヤジがクズすぎて笑えるわー。出て行くに至る会話とか、ホント救えない愚劣。
評価はB−。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 文庫
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