近藤史恵『スーツケースの半分は』祥伝社文庫

ネタバレ注意。

青いスーツケースが何人かの持ち主の間を流転する中で、旅と人生の群像を描く連作短編集。

後半、スーツケースの来歴を遡る中では、その衒いない「いい話」ぶりに涙腺を刺激されました。いい意味でさすがだと思ったから、前半の、祥伝社における近藤史恵の悪い意味でのさすがぶり…なぜこうも悪しざまに「愚劣な男」を描こうとするのか、その不自然さ…が改めて不思議でした。

祥伝社文庫の既刊リストだけでもやばいね。デビュー作からずっと読んでて信頼している作家の、信頼できない部分が凝縮されてるわ。

ミソジニィの反語、ミサンドリィっていうらしいよ…わざわざ調べてしまった。

評価はC。

スーツケースの半分は (祥伝社文庫)

スーツケースの半分は (祥伝社文庫)

  • 作者:近藤史恵
  • 発売日: 2018/05/11
  • メディア: 文庫