ネタバレ注意。
表題作は、少年もの以外の作品で、久々に質量共に一定以上のものが読めたという意味で収穫。その新鮮さと、プラクティカル・ジョークって題材の妙味もあって愉しめました。
「仮面の恐怖王」「電人M」「鉄人Q」と三つ並んだ少年ものにはそういう意味で語るに足るところはないけど、いろいろと言いたいことはある。まず「鉄人Q」で序盤ちょっとアンドロイドの哀感みたいなの出しときながら、ドラマとして何も収斂せずに結局二十面相が化けてただけだったのは失笑だった。あと「仮面の恐怖王」で、《おれの武器はおくそこの知れないちえなのだ》(99p)とかのたまった次の瞬間小林少年に全力タックルかましてくるのも香ばしいし、「電人M」の《ああ、二十面相は、なんという奇術ずきなやつでしょう。》(315p)てのも中々に味わい深い。
お約束のコントとしては面白かったよ。
評価はC+。
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 文庫
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