司凍季『からくり人形は五度笑う』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
「人形の村」の過去と現在に連続する殺人事件。
新本格黎明期、まだ淘汰が進まず玉石混淆の時代を感じさせる懐かしさ。端的には「古き悪しき新本格」って感じ。
カタルシスに乏しい「物理トリックのための物理トリック」と、借り物でハリボテの世界観。文章もキャラクタも粗雑で(解説推輓の島荘は絶賛してるけど)、作中作配して暗号にしたり伏線にしたり、文芸趣味取り入れようという志向に追いつけてなくて残念だった。
評価はC−。

からくり人形は五度笑う (講談社文庫)

からくり人形は五度笑う (講談社文庫)