ネタバレ一応注意。
第四集に至って、テンションとクオリティの減じる気配のない鉄板シリーズ。シンプルで小粋なストーリィと、いちいち美しく卓抜な比喩・文章表現で織り上げられた、ハードボイルド・メルヒェンの様式美。
今までの巻では「男の友情」に感興の深い作品が多かったように思うが、この巻では子供絡みにいい話が多かったかな。特に一編挙げるなら「THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES」。
文章で挙げれば「YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS」、カリフォルニアの探偵に対する呪詛と、ラストのセンテンスいずれもニヤリ。キレイにまとまりすぎの感もありますが、そこはメルヒェンだし。しかし特に冬の風景描写には唸らされますな。
評価はB。
- 作者: 矢作俊彦
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: 文庫
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