真保裕一『防壁』講談社文庫

ネタバレ特になし。
短編集。ネタはSPとか海保の特殊救難隊とか消防士とか、いわゆる肉体派特殊公務員。
盗聴』の時に書いたけど、この人は構成力が短編向きの作家だと思うので、長いのよりは読める。だけどこの本に関しては、どれもストーリィに工夫が足りない。「頑張って取材しました! 関係者の皆さんありがとうございました!」ってだけの小説に思える。
あと大きいのは、どの話でも大きな位置を占める恋愛要素が、まったく感興をもたらさないこと。全部がト書きみたいな恋愛模様。難しいなら、下手に女性を造形しようとしなけりゃいいのに。
評価はC。

防壁 (講談社文庫)

防壁 (講談社文庫)