門井慶喜『パラドックス実践 雄弁学園の教師たち』講談社文庫

ネタバレ一応注意。

雄弁術を特色とする学園、初等~大学までを舞台に描かれる連作。

初めて読む作家でしたが、地頭の良さを感じさせて、知的感興の多い作品でよかったと思います。

パラドックスや論理学、隠されたメッセージなど、言葉を玩弄する中で知的に興奮させながら、やがてその言葉の力で人々が分かり合うという物語が心地よい。

現代…言葉をどこまでも安く侮蔑してくる連中の蔓延る時代に、刺さる物語だと思います。

評価はB-。