矢作俊彦/司城志朗『サムライ・ノングラータ』ソフトバンク文庫

ネタバレ注意。
明治期、密命を帯びてハワイに渡る快男児・丈太郎の活躍を描く歴史冒険活劇。
矢作の映画用シナリオを司城がノベライズ、という分担らしい。架空・実在どちらもキャラが立って、ストーリィもダイナミックで、スペクタクル感のあるエンタテインメント小説だけど、クライマックスに向かうにつれてドタバタ一辺倒で、個人的には矢作俊彦絡みであれば、もっとこう、「味わい」が欲しかったなーというないものねだり。「味わい」強いなら強いで「読み難い」とか言うクセにな。
あとはどうせ杉山茂丸出すんなら、息子・夢野久作絡みのネタが欲しいなーなんてこれもないものねだり。作中作にしてみるとかさ。でもそれじゃ、こんな陽気なエンタテインメントにはならんわな。
評価はC+。