矢作俊彦『マイク・ハマーへ伝言』角川文庫

ネタバレ一応注意。
横浜を舞台に、リア充チョイ悪の青年団が、仲間の死の真相を探る青春ハードボイルド。
処女長編だけあって、スタイルに固執するという意味で力の入った、「若い」仕上がり。稚拙だということでは決してないのだが、文体の偏執性が非常にまどろっこしくてキツかった。プロットや物語の流れが充分に追えなくなるレベルだけど、作者的にもまあそっちは割とどうでもいいのではないかと思われる。
「こういうもの」としての価値は認められると思うが、俺にとってはエンタテインメント性も、「巧者」矢作俊彦らしい洗練性も、どちらも感じられなくて残念だった。
評価はC。

マイク・ハマーへ伝言 (角川文庫)

マイク・ハマーへ伝言 (角川文庫)