矢作俊彦『マンハッタン・オプ 2』ソフトバンク文庫

ネタバレ一応注意。
マンハッタンを舞台にした私立探偵ハードボイルド短編シリーズの第二集。
前作からかなり久々に読んだけど、さすが抜群の安定感を見せる様式美。掌編と言ってもいい短さのためもあって、すいすいぐんぐん読めてしまいます。
ハードボイルド・ステレオタイプという縛りの中で、よくこうも似て非なるストーリィ・プロットと描写・会話のウィットを捻り出せるもんだよなあと感心してしまう。元々はラジオドラマの脚本だったらしいけども。
この本でのベストは「SOMETIMES I'M HAPPY」。この作品に顕れたような小粋なラヴ、この短さに仕込むのは至難の業だろうに、お見事。
評価はB。