ネタバレ注意。
雑誌記者の主人公がサイキックの少年と出会い、やがて事件に巻き込まれていくSFミステリ。
うん、これは面白かったです。事件に派手さはないけどストーリィテリングはさすがの手腕だし、キャラクタ造形も『魔術はささやく』あたりに比べて遥かに自然でした。
唯一、主人公とヒロインの恋愛模様だけは若干の居心地の悪さをおぼえもしたけど、それはラストで明らかになる直也の「動機」を引き立たせてもいるように感じて。この小説の白眉はやはりそこの部分で、この哀しくも美しい余韻、なかなか得難い達成だと思う。
宮部の青少年描写の精華です。
評価はB。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/01/30
- メディア: 文庫
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