西田征史『小野寺の弟 小野寺の姉』リンダブックス

ネタバレ注意。
ラーメンズ関連で以前よりお馴染みでしたが、最近めっきり売れっ子脚本家な西田氏の長編小説。
姉弟二人暮らしの生活をそれぞれの視点から描く家族小説で、ユーモアとテンポ感、視点により違った側面を見せるエピソードの作り方のセンスなど、好ましいところは多々ある作品。
ただ、プロット・キャラクタ・ストーリィ、いずれにもあまり目新しさを感じることができなかったのも事実。でもこれは舞台化煽りの帯で、姉:片桐はいり、弟:向井理、というかなりあざといキャスティングでイメージ固定化されてしまったためかも。
しかし*1「酢味噌」に関しては出色の名エピソードだと思ったし、実際についてた栞にも笑ってしまった。そのギミックを+判定しようと思う。
評価はB−。

小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)

小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)

*1:逆説接続詞の多い文章だな、しかし。