ネタバレ一応注意。
女子大生が体調崩した祖母に代わって飲み屋を切り盛りするお話。
JD主人公・ミラちゃんの、聡明で男気ある造形は出色。男性作家が女子大生の一人称で小説書いて、こうまで爽やかなものになってるってのは、なかなかに貴重なことであると思います。
ストーリィだけ取り出したらビルドゥングス・ロマンなんだけど、ミラちゃんの人格は確立されてしまっていて、彼女によって周りのダメな大人たちがビルドゥングされる、って物語構造もなかなかにラディカル。
実力ある作家のいい小説だとおもうけど、惜しむらくは解説がよろしくないな…。
評価はB。
- 作者: 芦原すなお
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1993/02
- メディア: 単行本
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