森絵都『クラスメイツ』角川文庫

ネタバレ注意。

北見第二中学校、1年A組の一年間を、25人の生徒たちそれぞれの視点・挿話でリレーして描く、学園ジュブナイル連作。

この設定で森絵都が書いて、つまらないわけがないよね。基本的にはポジティブで愛らしく、爽やかでありつつも一抹のせつなさが滲む、安定の中学生小説。まあそのせつなさは、自分の暗黒時代を振り返ってのものかもしれないけれど…。

好きだったのはハセカンの章のこのちゃんのリアクション(惚れる)、久保由佳の章での日向子との関係性、田町の章での陸との公園エピソードの真相(巧すぎ)、といったあたり。

…総じて、男子はガキだし、女子は背伸びしよるな…こういうもんだな中坊って。

評価はB-。