若竹七海(ほか)『競作 五十円玉二十枚の謎』創元推理文庫

ネタバレ注意。
再読だけど、もはや何も憶えてないぐらいの昔の話なので処分を機にふたたび。
プロパーは楽屋ネタに流れがちだし、公募作は人情噺に流れがちだしで、「謎」の持つシンプルな面白さに応えるだけのものは提示されていないように思う。その中であえて挙げれば、笠原卓の「催眠商法」という回答が、シンプルで納得性が高く個人的にはベスト。
でも面白い「謎」だよねー、ミステリ読みたての頃、それがいろんなカタチでありえてどこにでも転がってるんだって、想像と創造の可能性に気付かせてくれた、「謎」そのものは一生憶えているだろう魅力的なもの。まあたかだか五十円玉なんだけど。
あとはなんだろ、当時「北村薫」の存在とその正体ってのが、勃興期の狭い新本格ギョーカイではとても大きなトピックだったのね、ってとこかな。微笑ましさと共に、史料的価値もまた。
評価はC+(再読)。

競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)

競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)