『アイデンティティー』

「&」がつかない方ね。
かつて「本ミス」のミステリ映画特集で多くの人が推薦していたので観てみました。
感想は…うん、まあ…ね。
以下ネタバレ注意。
つかこれ、「本格ミステリ」ではないよね。「サイコミステリ」だし悪くすれば「サイココメディ」だわ。爆発した車から去っていくティミーのカット、あれがホラー/ミステリとしての構築を笑いと共にぶっ壊し、だけどサイコミステリとしての凡庸から遠ざけてもいる。「多重人格」と「子供犯人」という大技二つの無理矢理の合わせ技、「そういう世界」なら「そういう世界」で、犯人特定のロジックがきっちりと担保されていればよかったんだけど。そこがきっちり詰められて、あるいは納得できる形で提示されていたらもっと満足度は高かっただろう。あるいは俺が見えてないだけなのかしら。
映画としての基礎体力としては、演出のスピード感やセット・効果の完成度(B級ホラー的なチープさはあまり感じられない)、キャストもジョン・キューザックを中心に好感の持てる演技でなかなかよかったです。

アイデンティティー CE [DVD]

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